サウンドスケープ
ドイツ在住の気鋭の音響空間作家・及川潤耶とのアートプロジェクト、「yadorine(宿り音)」の第一弾を、浄土宗総本山・知恩院初のサウンドスケープ企画としてスタートします。伝統的日本庭園の更なる魅力を発見する機会となると同時に、来場者の意識を刺激する回遊体験になるでしょう。 風景のそこかしこにちりばめられた音の気配を辿りながら、秋の友禅苑の散策をお楽しみください。
※本企画は、「知恩院・秋のライトアップ2019」(夜間拝観)と並行して開催されます。
日程 | 時間 |
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11月15日(金)〜12月1日(日) | 17:30〜21:30 (最終入場21:00まで) |
拝観料 | 800円 |
アーティストトーク(三門)+友禅苑を舞台にしたサウンドパフォーマンス
日程 | 内容 |
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11月23日(土) | アーティストトーク(1回目 18:00〜/2回目 18:45〜)+サウンドパフォーマンス(19:00〜) |
11月24日(日) | アーティストトーク(1回目 18:00〜/2回目 18:45〜) |
11月29日(金) | アーティストトーク(1回目 18:00〜/2回目 18:45〜)+サウンドパフォーマンス(19:00〜) |
※荒天の場合、サウンドパフォーマンスは中止。アーティストトークのみの開催 ※サウンドパフォーマンスの演奏時間は約15分ほど。
宿り音について
生命が「宿る」、気配が「宿る」、言霊が「宿る」というように、目に見えない人知を超えた存在を感じた時、何かがそこに入り込んで留まることを意味する「宿る」という表現が使われます。「音」を徹底的に追求し、環境と呼応させる及川潤耶のデジタル音響空間は、まさに「音が宿る」、つまりは、電子的な音が有機的な存在としてそこにある状態を構築しています。自然とテクノロジーという異なる要素の融合と調和を原点とした音響表現が、現代芸術や実験音楽の研究が進む欧米において先駆的であると高く評価されていることは、作品に表れる日本的感性と作家独自の発想が、音楽・美術双方の分野において、重要な意味と役割を持つことを意味しています。本企画を通じて、及川の日本的自然観と海外の芸術・文化環境を背景に培われた空間表現がここ知恩院で紹介されることは、伝統とアートがもたらす可能性を考察するうえで、大変有意義かつ貴重な機会となることでしょう。
主催
私達は日本の文化や伝統をお伝えするために日々活動をしております。正しく誠実にわかりやすくお伝えすることで、この国の善きものが広がり産業としても芸術としても継続的に人々の目に留まり、更には触れていただき使っていただけるようになることが文化や伝統を守ることにつながるのではないかと考えております。
作家プロフィール
1983年宮城県仙台市出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2011年に世界最高峰のメディア芸術センター「ZKM」の客員芸術家として招聘され渡独、芸術家就労ビザを取得し、ドイツを拠点に国内外で数々の成果を上げている、今最も注目すべき若手在外作家です。自身の録音した声や物音の変容によるサウンドインスタレーションや立体音響コンサート、インタラクティブ作品など、音と芸術に関わる作品を、世界各地の現代美術館、メディア芸術・実験音響のフェスティバル、屋外環境などで発表してきました。主な作品に、フィールドレコーディングによる街と鐘の音による電子音楽「Bell Fantasia」、自然と人間の関係性を扱ったサウンド・インスタレーション「Voice Landscape」、手の動作により音楽を体験するインタラクティブ作品 「Growing Verse」など。「第1回東京アートミーティング:Transformation」(東京都現代美館、2010年)、「第23回ヨーロッパ教会音楽祭」(ドイツ、2012年)、「芸術と自然センター開設50周年事業」での個展(カナダ、2014年)、「I Say Yesterday, You Hear Tomorrow. Visions from Japan」(ルチアーノ・ベネトンコレクション、イタリア、2018年)、「Noite Branca Braga」(ポルトガル、2018/2019年)など多数の展示や事業に携わり、フランス最大の電子音楽賞「Qwartz Music Awards」の実験/研究部門での最高賞受賞(2013年)、ユネスコ創造都市に登録されているフランス・アンギャンレバン市の電子芸術祭「BAINS NUMÉRIQUES #8」(2014年)での批評家賞受賞、ポルトガルの実験音楽・デジタル芸術の祭典「SEMIBREVEEDIGMA Award」での最高賞受賞 (2016年)など、人と自然とデジタルテクノロジーの関係性を音によって繋ぐという独自の発想に基づいた表現は、様々な領域で高く評価されています。パリ日本文化会館講演(フランス、2016年)、ニーダーザクセン州科学文科省ブラウンシュバイクプロジェクト(ドイツ、2017年)、また森山未來、ヨン・フィリップ・ファウストロムとの共作「SONAR」(横浜、2018年)など、地域行政および文化・芸術・教育機関や企業と提携した事業も手がけ、空間音響表現の更なる開拓と文化発展に取り組んでいます。現在、欧州最大規模のデザイン美術館である「デザインミュージアム|ピナコテーク・デア・モデルネ」(ドイツ)にて、バウハウス生誕100周年記念事業による委嘱新作を2020年2月まで展示中です。
作家への支援について
及川潤耶×サウンドスケーププロジェクト・「yadorine」への芸術支援のご協力を受け付けております。日本と海外を結ぶ表現活動を通じた、日本の伝統および現代芸術の発展と文化振興、強いては持続的な地域発展のため、皆様のご支援・ご協力を宜しくお願い致します。お仕事や作品についての問い合わせは随時受け付けております。kamimura@vessel.kyoto
友禅染の始祖・宮崎友禅斎の生誕300年を記念して昭和29年に改修・造園。東山の清流を配した池泉式庭園、枯山水と茶室とで構成され、華頂山を背に風情あふれる景観が広がる昭和の名園と評されています。