創工会×和中庵について

ご挨拶

「創工会×和中庵in鹿ケ谷」は、今年でいよいよ最後の展覧会となりました。2020年秋に初回を迎えたこの展覧会が、ここ和中庵において今日に至るまで大好評のうちに継続されましたことも、ひとえに、創工会の皆様のあたたかいご関心の賜物であると心より感謝申し上げます。若葉がまぶしく映える美しい和中庵に、各界で世界的に活躍されているアーティストの方々との作品をお迎えするという得難い機会も、今回で最後となりますことが残念でなりませんが、た再びこちらでご企画頂けることを心待ちにしています。この建造物は、大正の趣が残る近江商人の邸宅跡から、戦後をむえて米国から来日されたカトリックのシスターたちの修道院へと類稀な変遷をたどって建物として、さまざまな人々にとって愛されてきたノートルダム女学院の誇りです。今回は陶芸、漆芸、染色、ガラス、金工、金石、人形、木彫といった多様なアートが出会い、まるで宇宙のはてまで織細な美しさを投影したかのような空間に皆様を迎えてきた幸せを感じております。初夏を感じさせてくれる清々しい鹿ケ谷の光の中で、どうぞごゆっくりと充実したひとときをお過ごしくださいませ。
学校法人ノートルダム女学院 学院長 栗本 嘉子

 
 

若葉の緑もしたいに色濃くなる好季節、和中庵での展覧会も5回目となり最終展を迎えることとなりました。本展開催にあたりノートルダム女学院中学高等学校はじめ関係各位には、長きに亘りご尽力を賜りまして深く感謝申し上げます。工芸美術創工会は、作家の自由な制作、個性的な活動を尊重し、互いに切磋琢磨してより質の高い工芸の創生を目的として創作活動を続けて参りました。日本の風土の中で独自な発展を遂げてまいりました工芸美術と歴史的邸宅建築の和中庵とが響き合う空間をお届け出来ればと存じます。新緑の季節、陽の光を受けて刻々と変化する姿をお楽しみ頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
工芸美術 創工会会長 井上 絵美子

 

 

和中庵について

「和中庵」は日本の化学繊維市場の礎を築いたパイオニアの一人近江商人・藤井 彦四郎が贅を尽くし、粋を凝らして建てた鹿ヶ谷の山裾の林を開拓した広大な庭園を持つ邸宅で、昭和24年(1949年)にノートルダム教育修道女会が取得。修道院として改造、利用した後、平成20年(2008年)にノートルダム女学院中学高等学校に移管されました。
本邸は彦四郎の友、漢学者長尾雨山により、「何事にも偏らず公平に」をモットーとして「和中庵」と命名されました。山裾を切り開いたこともあり、和中庵から西に広がる眺めは絶品で、それにもまして東山から流れ出る水は清らかで絶えることがありません。大きな茶室の横にはこの地域の桜谷町の名前の由来になった、桜の野生種エドヒガン(江戸彼岸)の大木が かつては毎春 美しい花を咲かせていました。
正面の洋館部分はスパニッシュを基調とした建築で、寄木細工の床や天井の装飾が美しく、又渡り廊下でつながれた奥座敷(書院造の客殿)には、欄間や床の天井などに数寄屋風の意匠も取り入れられ、彦四郎自身が設計に関わり、造りあげた見事な建築です。

 

和中庵ウェブサイト

 

〒603-8123 京都市左京区鹿ケ谷桜谷町110
(Google Map)

TEL:075-771-0570(代)
FAX:075-752-1087

 

創工会について

工芸美術創工会は1987年(昭和62年)に京都を中心とする関西・中国地区在住の工芸作家により結成されました。

平成元年(1989年)に京都府京都文化博物館の開館と時を同じくして第1回展を開催し、以後、京都の長い歴史や思想に育まれた工芸美術の伝統と革新を踏まえて、作家個々の新しい発想や創意を尊重し次代の工芸美術をリードする自由でリベラルな創作工芸美術集団として毎年発表を続けて参りました。

結成以来、日展をはじめ全国の公募展に多くの入選者、受賞者、審査員を排出し、近年は文化勲章受章者、文化功労者、日本藝術院会員、日本藝術院賞受賞者、内閣総理大臣賞受賞者、文部科学大臣賞受賞者、京都府文化功労者顕彰者、京都市文化功労者表彰者を輩出しています。

わが国の工芸は、日本の自然を感じる精神や風土に磨かれた美意識によって世界に誇る独自の発展を遂げて参りました。その長い時間をかけて築き上げられた創造の蓄積である伝統に我々が新たな創造を加え、人の心の根源的なものに訴えかける作品を発信し、今後も地域の芸術文化の発展と振興に寄与すべく活発な活動を続けて参ります。

 

創工会ウェブサイト